ヘルプデスクのオープンソース比較|Zendeskの代わりに使える無料ツール5選と日本語対応【2026年版】

※2026年10月21日時点の情報です。Zammad は弊社の検証サーバーで実機を確認しています。ほかの4つは各公式の GitHub・ドキュメント・料金ページをもとにまとめたもので、実機では試していません。

Zendesk で問い合わせ対応を始める場合、最安の Support Team でもエージェント1人あたり月額$19(年払い)が必要です。チャットもまとめて扱える Suite Team は月額$55です(2026年10月21日に Zendesk 日本向け料金ページで確認、ドル建て)。Suite Team を担当者が3人で使うと、年間約$2,000かかります。

こうした費用を考えると、選択肢に入るのが自分のサーバーに導入できるオープンソースのヘルプデスクです。この記事では代表的な5つについて、日本語の画面・必要なサーバー・対応チャネル・有料になる機能を比較します。

結論:ヘルプデスクのオープンソースは用途に合わせて選ぶ

こんな用途なら おすすめ 理由
チャット・LINE・SNS もまとめて扱いたい Chatwoot LINE に標準で対応するのは5つの中で Chatwoot だけ。日本語の画面も用意されている
メールを中心に、安いサーバーで動かしたい FreeScout PHP 製で、公式には CPU・メモリの最低要件がない。共有サーバーでも動くとされている
電話・SLA まで扱う本格的な窓口 Zammad 機能は最も多い。ただしメモリは最低6GB(検索エンジン込みなら10GB)が必要で、安定版の日本語化は約2割
長く使われてきた定番を選びたい osTicket メール・Web フォームが中心。日本語の言語パックがある(翻訳率75%)
日本語の画面を使いたい UVdesk は不向き 日本語が同梱の言語に含まれていない

選択に迷うなら、チャットが必要な場合は Chatwoot、メールだけなら FreeScoutから試すとよいでしょう。

ヘルプデスクのオープンソース5つを比較

項目 Zammad Chatwoot FreeScout UVdesk osTicket
Zendesk の代わりになる範囲 メール・電話・チャット チャット・SNS 中心 メール中心(Help Scout 型) メール+ポータル メール+Web フォーム
ライセンス AGPL-3.0 MIT(一部は有料版) AGPL-3.0 OSL-3.0 GPL-2.0
日本語の画面 あり(安定版は約2割) あり あり なし あり(言語パック)
最低スペック(公式) 2コア・6GB 4コア・4GB 要件なし 4GB 記載なし
LINE なし あり モジュール一覧に記載なし 未確認 なし
WhatsApp あり あり 有料モジュール 有料アプリ なし
有料になる主な機能 なし(クラウド版は有料) SSO・SLA・AI・音声通話 WhatsApp・ワークフローなどのモジュール Telegram・WhatsApp・SLA などのアプリ なし(クラウド版は有料)
公式クラウドの最安有料プラン €7(年払い) $19 なし $8(年払い) $12
GitHub スター 約6,000 約38,000 約4,600 約19,600 約4,000

※料金はエージェント1人あたりの月額です。Chatwoot の料金ページには支払い周期が記載されていません。スター数・最新版は、2026年10月21日時点の GitHub の値を掲載しています。

Zammad:機能は最多。メモリと日本語化には注意が必要(実機で確認)

5つの中で最も Zendesk に近いヘルプデスクが Zammad です。メール・Web フォーム・チャット・SMS・WhatsApp・Telegram に対応するほか、電話システムとの連携(CTI)もできます。弊社では、さくらのクラウドの検証サーバー(2コア・8GB)に公式の Docker 構成で構築し、画面を確認しました。

Zammad 7.2.1のダッシュボード。マイ統計やチャネル配分は日本語だが、WAITING TIME TODAYなど英語のままの項目も残っている
Zammad 7.2.1 のダッシュボード(2026年10月6日、弊社の検証サーバーで撮影)。日本語と英語が混ざる
  • メモリ:起動直後の使用量は約2.7GB。公式の最低要件は6GB(検索エンジン Elasticsearch を同じサーバーに置く場合は+4GB)
  • 日本語化:安定版(7.2系)の翻訳ファイルでは、画面に表示される訳は約19%。ダッシュボードやチケット一覧には英語や不自然な訳が残っている
  • 今後:開発中の次期版(develop ブランチ)では、翻訳ファイルの約99%が訳されている

日本語への対応状況や設定方法は、「Zammad を日本語で使う」で画面を交えながら詳しく解説しています。

Chatwoot:LINE・チャット対応を重視するなら第一候補

Chatwoot は、Web サイトのチャット・メール・Facebook・Instagram・WhatsApp・Telegram・LINEなどを、1つの受信箱で扱えるツールです。画面は日本語にも対応しています。

ただし、提供形態はオープンコアです。SSO・SLA・AI(Captain)・音声通話を使うには、有料版(セルフホストでもエージェント1人あたり月額$19〜)が必要になります。サーバーの公式最低要件は4コア・4GBで、PostgreSQL と Redis も必要です。

FreeScout:軽さを重視するなら。主要機能は買い切りモジュールで追加

Help Scout の代わりを目指して作られた FreeScout は、PHP 製のヘルプデスクです。公式にはCPU・メモリの最低要件がなく、共有サーバーでも動くとされています。メールの共有受信箱として利用するなら、5つの中で最も手軽な選択肢です。日本語の翻訳ファイルも同梱されています。

ただし、WhatsApp・Telegram・ワークフロー・満足度アンケートなどは有料モジュール(1インスタンスごとの買い切り、返金不可)として提供されます。また、公式の Docker イメージは用意されておらず、公式サイトでは第三者製のイメージを案内しています。

UVdesk・osTicket:日本語対応と更新頻度を確認して選ぶ

UVdesk は、メールとサポートセンター(Web ポータル)を標準機能として備え、GitHub のスターも多めです。ただし、同梱の言語には日本語が含まれていません。安定版のリリースも、2025年9月の v1.1.8 以降は出ていません。

osTicket は長く利用されてきた定番ツールです。メール・Web フォームで受けた問い合わせをチケットにします。日本語については、翻訳サイト(Crowdin)に翻訳率75%の言語パックがあります。リリースの頻度は年に1〜2回で、チャットや SNS には標準で対応していません。

ヘルプデスクを自分で運用する際の注意点

  • メールの設定:問い合わせ用のアドレスで受信・送信するために、IMAP・SMTP の設定が必要
  • バックアップ:顧客とのやり取りを保存するため、データベースの定期的なバックアップが必須
  • サーバー費用:VPS の目安は Zammad なら8GB、ほかは4GB 前後。担当者が少ない場合は、公式クラウドの料金とも比較して決める

Zendesk からの移行先候補は「Zendesk のオープンソース代替」に、チャット中心の候補は「Intercom のオープンソース代替」にも一覧でまとめています。

まとめ:ヘルプデスクのオープンソースは Chatwoot か FreeScout から試す

Zendesk の代わりを探すなら、チャットや LINE もまとめて扱う場合は Chatwoot、メール中心で軽く始める場合は FreeScoutが試しやすい選択肢です。Zammad は機能の多さが魅力ですが、メモリ6GB 以上が必要で、日本語化も遅れています。次期版の日本語訳がそろってから検討する方法もあります。

各ツールのライセンスや最新バージョンについては、「Zammad」「Chatwoot」「FreeScout」「UVdesk」「osTicket」の詳細ページで随時更新しています。