Zammadを日本語で使う|日本語化は約2割?実機の画面と設定方法【2026年版】

※2026年10月6日時点の情報です。Zammad 7.2.1 を弊社のサーバーで動かして確認しました。翻訳の状況は版によって変わるため、最新の内容は公式リポジトリで確認してください。

Zendesk の代わりになるオープンソース(OSS)のヘルプデスクを探すと、まず名前が挙がるのが Zammad です。ただ、日本語の記事は数年前のものが多く、「日本語で実用になるのか」がはっきりしません。

そこで弊社で、いま入れられる安定版 7.2.1 を実際にサーバーに立て、画面と翻訳ファイルの両方を確認しました。

結論:Zammadの日本語訳は安定版で約2割、開発版では98.8%

Zammad の日本語訳は、リポジトリの翻訳ファイル i18n/zammad.ja.po に入っています。2026年10月6日に、版ごとの中身を数えました。

版 全項目 画面に出る訳 fuzzy(画面に出ない) 未翻訳
7.2.1(安定版) 5,144 1,001(19.5%) 1,952(37.9%) 2,191
develop(次期版) 5,198 5,135(98.8%) 48 15

いま Docker で入れる安定版では、画面に出る日本語訳は約2割です。一方、開発中の develop ブランチは2026年9月18日の更新で 98.8% まで進んでいます。日本語の完成度は「どの版を入れるか」で大きく変わります。

Zammad 7.2.1 を実機で確認:日本語の画面と英語が残る箇所

弊社の検証サーバーで、言語を日本語にして主な画面を開きました。メニューや入力欄の多くは日本語ですが、英語のまま残る箇所と、意味が取りにくい訳があります。

Zammad 7.2.1を日本語表示にしたダッシュボード。WAITING TIME TODAYやDark Modeなど英語が残っている
ダッシュボード(Zammad 7.2.1、2026年10月6日に弊社で撮影)。「WAITING TIME TODAY」「MY TICKETS IN PROCESS」やユーザーメニューの「Dark Mode」は英語のまま
画面 英語のまま 不自然な訳
ダッシュボード WAITING TIME TODAY、MY TICKETS IN PROCESS、Dark Mode 「私のチケットの 0 がエスカレートされた」「0%が再対応されました」
新規チケット Inbound Call、Enter Person or Organization/Company、select attachment… 電話の着信・発信が「内部呼び出し/外部呼び出し」
チケット一覧 My Subscribed Tickets、Pending Reached Tickets、Escalated Tickets 空のときの表示が「記載無し」
管理>ユーザ Text Modules、Checklists、Public Links、表の見出し FIRST NAME/LAST NAME 「ユーザ」と「ユーザー」が混在
Zammad 7.2.1の新規チケット画面。電話の着信が「内部呼び出し」と表示され、Inbound Callが英語のまま
新規チケット画面。電話の着信・発信が「内部呼び出し/外部呼び出し」と訳され、左のタブは「Inbound Call」のまま

特に新規チケットの画面では、「内部呼び出し」が実は電話の着信を指しています。電話受付の担当者に使ってもらうなら、事前に説明が必要です。なお、顧客側の画面(ポータル)は今回確認していません。

約2割なのにZammadが日本語に見える理由(fuzzy の仕組み)

画面の体感は「大半が日本語」です。よく使うメニューや項目名が先に訳されているためです。一方、翻訳ファイルには「fuzzy(あいまい)」と印の付いた訳が1,952項目あります。Zammad は取り込み時に fuzzy を無視する作りで(公式ソースに Make sure to ignore fuzzy entries. と書かれています)、実機でも fuzzy の項目は英語のまま表示されていました。

fuzzy には、表示されないほうがよい誤訳も混ざっています。

  • First name → 「姓」、Last name → 「名」(名と姓が逆)
  • Dark Mode → 「モード」
  • Escalated Tickets → 「エスカレーション時間」
  • Pending Reached Tickets → 「私の保留中の到達チケット」

どれも古い英語に付いていた訳が残ったもので、画面では英語のままです。管理画面のユーザー一覧で見出しが「FIRST NAME」「LAST NAME」と英語なのも、このためです。「Inbound Call」はそもそも訳がありません。fuzzy を数に入れると約57%に見えますが、実際に画面に出るのは19.5%です。

Zammad 7.2.1の管理画面のユーザー一覧。Text ModulesやFIRST NAMEなど英語の項目が混ざっている
管理>ユーザ。メニューの「Text Modules」「Checklists」「Public Links」、表の見出し「FIRST NAME」「LAST NAME」は英語。「ユーザ」と「ユーザー」の表記ゆれもある

Zammadを日本語表示にする設定方法

公式ドキュメントで確認した設定は次の3か所です。

  • システム全体:管理画面の Settings > Branding の「Locale」。ユーザーの言語を判別できないときや、CSV 出力・通知の言語に使われます。同じ画面の「Timezone」も日本時間にしておきます
  • ユーザーごと:プロフィールの「Language」。初回ログイン時はブラウザの言語が使われます
  • 足りない訳を補う:System > Translations の「New Translation」で自分の訳を登録できます。公式によると、登録した訳はアップデート後も残ります。Ctrl+Alt+T で画面上の文言を直接書き換えることもできます

初期設定ではメール送信の設定画面が出ます。弊社で試したとき、ブラウザが Gmail のアドレスとパスワードを自動で入力してしまいました。検証環境に本物のパスワードを入れないよう、入力を消してスキップしました。試すときは自動入力に注意してください。

日本語メール(ISO-2022-JP)の文字化けは、今回未検証です。文字化けの issue は過去に何度も修正されており、直近では2026年5月に「charset 指定のない ISO-2022-JP メールが正しく読めない」問題(#6144)が 7.0 で修正されています。本番の前に、普段届くメールで受信テストをしてください。

Zammadに必要なサーバースペック(実測)

弊社はさくらのクラウドで、公式の zammad-docker-compose を使って起動しました。

項目 内容
サーバー 2コア・メモリ8GB・SSD 40GB、Ubuntu 22.04(1日あたり約451円)
起動後のメモリ 約2.7GB
起動後のディスク 約8.5GB
公式の下限(Docker) メモリ4GB以上
公式の最小構成 2コア・メモリ6GB(同じサーバーで Elasticsearch を動かすなら+4GB)

実測はチケットがほぼない起動直後の値です。公式の最小構成は Elasticsearch 込みで合計10GBなので、運用で使うなら 8GB でも余裕は大きくありません。Elasticsearch のために vm.max_map_count=262144 の設定が必要です。

弊社では管理画面をインターネットに公開せず、SSH トンネル経由で確認しました。Docker で公開したポートはファイアウォール(ufw)を素通りすることがあるため、検証中は 127.0.0.1 にだけ公開するのが安全です。

Zammadの日本語化は次期版を待つか、自分で直すか

選択肢は3つです。

方法 向いている場合 注意点
次期版(7.3)を待つ 急がない、英語の画面に不安がある 公開日は未確認。98.8%の訳の品質も未確認
安定版+ローカル翻訳 すぐ使いたい、気になる箇所だけ直したい 未翻訳と fuzzy を合わせて約4,100項目あり、全部は直せない
Weblate で翻訳に参加 自社でも長く使う予定がある 反映されるのは Zammad のアップデート後

公式のリリース一覧では 7.0 が2026年3月、7.1 が6月、7.2 が9月と、約3か月ごとに新しい版が出ています。社内で試すなら、安定版で使い方を覚えつつ、電話受付など誤解を招く箇所だけローカル翻訳で直す方法が現実的です。

まとめ:Zammadの日本語は「版選び」と「残る英語」の確認から

  • 安定版 7.2.1 で画面に出る日本語訳は19.5%。よく使う画面は日本語でも、英語や不自然な訳が残る
  • 開発版は98.8%まで進んでおり、次期版で大きく改善する見込み
  • 起動直後のメモリは約2.7GB。公式の最小構成は Elasticsearch 込みで10GB
  • 日本語メールの文字化けは未検証。本番前に受信テストを

Zammad の概要、Zendesk との費用の違い、サーバーの目安は OSSMatch にまとめています。

サーバーの準備や日本語化の手直しを自社で進めるのが不安な場合は、合同会社Edel Hearts のOSS導入支援でご相談を受け付けています。

出典