オープンソースのCRM比較|HubSpot・Salesforceの代わりになる5選と日本語対応【2026年版】

※2026年10月23日時点の情報です。この記事で紹介する5つの CRM は、弊社では実機で試していません。各公式の GitHub・ドキュメント・料金ページを参照してまとめました。

HubSpot や Salesforce で顧客や商談を管理する場合、利用する人数に応じた月額料金がかかります。HubSpot の Sales Hub Professional は1シートあたり月額¥10,800(年額払い)で、これに加えて導入支援費¥180,000が必須です。Salesforce の Pro Suite は1ユーザーあたり月額¥12,000(年間契約)となっています(いずれも2026年10月23日に日本向けの料金ページで確認)。

営業担当が5人の場合、HubSpot の Professional は初年度だけで約83万円、Salesforce の Pro Suite は年72万円かかります。こうした費用を考えると、自分のサーバーに入れて使うオープンソースの CRMも選択肢になります。この記事では、OSSMatch に掲載している5つについて、ライセンス・日本語対応・必要なメモリ・向いている規模を比較します。

結論:会社の規模と用途に合わせてオープンソースの CRM を選ぶ

こんな会社なら おすすめ 理由
少人数で、HubSpot のような今風の画面を使いたい Twenty 5つの中で GitHub のスター数が最多。日本語の翻訳ファイルもほぼそろっている
PHP のサーバーを使い、シンプルに始めたい Krayin 商用利用の制約が少ない MIT ライセンス。2026年9月には日本語が追加された
Salesforce のような多機能の CRM を使いたい SuiteCRM 営業・マーケティング・サポートまで一通り対応。日本語の言語パックは別配布
CRM と見積・請求・在庫をまとめて管理したい Odoo/Dolibarr いずれも業務システム(ERP)の一部に CRM を備える。軽さを選ぶなら Dolibarr

オープンソースの CRM が HubSpot・Salesforce の代わりになる理由

大きな理由は、人数が増えても利用料が増えない点にあります。HubSpot や Salesforce の料金は「1人あたり月額」のため、営業担当を増やすと費用も増えていきます。一方、自分の VPS にオープンソースの CRM を入れる場合、主にかかるのはサーバー代です。OSSMatch に掲載している VPS の例では、メモリ4GB のプランを月額1,650円〜で利用できます。

ただし、サーバーの用意・更新・バックアップは自分で行う必要があります。HubSpot の無料プラン(2ユーザーまで¥0)で足りている規模であれば、無理に乗り換えなくてもよいでしょう。

営業担当5人で1年使ったときの費用の横棒グラフ。HubSpot Sales Hub Professionalは約83万円、Salesforce Pro Suiteは約72万円、Salesforce Starter Suiteは約18万円、オープンソースのCRMをVPSでセルフホストすると約2万円
営業担当5人で1年使った場合、HubSpot Sales Hub Professional は導入支援費を含めて初年度約83万円、Salesforce Pro Suite は約72万円。セルフホストのサーバー代は約2万円(運用の手間は含まない)

5つのオープンソースの CRM を比較

項目 Twenty SuiteCRM Krayin Odoo Dolibarr
代わりになる範囲 HubSpot・Salesforce の CRM 部分 Salesforce(営業・MA・サポート) 中小企業の営業管理 Salesforce+会計・在庫 顧客管理+見積・請求
ライセンス AGPL-3.0(一部は商用ライセンス) AGPL-3.0 MIT LGPL-3.0(Community 版) GPL-3.0
日本語の画面 あり(約97%) 言語パックを別途導入 あり(約96%) あり(CRM はほぼ100%) あり
必要なサーバー(公式) メモリ2GB 以上 PHP 8.2〜8.4・MySQL/MariaDB メモリ3GB 以上 公式の最低値は記載なし PHP のメモリ128MB
向いている規模 数人〜数十人 数十人以上 数人〜数十人 数十人以上 1人〜数人
公式クラウドの料金 $9〜(年払い) なし(ホスティングは別契約) なし(クラウド版は別途) 1アプリなら無料、全アプリはUS$28.50〜 なし
GitHub スター 約59,500 約5,800 約24,000 約55,300 約7,800
最新版 v2.50.0 7.15.2/8.10.2 v2.2.7 20.0 24.0.1

※料金は1ユーザーあたりの月額(ドル建て)を示しています。日本語の割合は、各リポジトリの翻訳ファイルで日本語が入っている項目を弊社で数えたものです。実際の画面表示は確認していません。スター数・最新版には、2026年10月23日時点の GitHub の値を記載しています。

オープンソースのCRM5つを、扱う範囲と会社の規模で配置した図。左上にTwenty、左下にKrayin、上の中央にSuiteCRM、右上にOdoo、右下にDolibarr
顧客・商談の管理だけなら Twenty と Krayin、Salesforce 並みの機能なら SuiteCRM、見積・請求までまとめるなら Odoo(大きめの会社)か Dolibarr(小さな会社)

Twenty:HubSpot のように使える、いま最も勢いのある CRM

Twenty では、スプレッドシートや Notion に近い画面を使い、顧客・会社・商談を管理できます。GitHub のスターは約59,500を数え、オープンソースの CRM で最多となっています。日本語の翻訳ファイル(ja-JP.po)には約5,200項目あり、そのうち約97%に日本語が入っています。

ライセンスには注意が必要です。本体は AGPL-3.0 である一方、一部のファイルは商用ライセンスとなっています。SSO や行単位の権限は、有料の Organization プラン($19〜)に含まれる機能です。また、セルフホストに必要なメモリは、公式ドキュメントでは2GB 以上とされています。

SuiteCRM:Salesforce に近い多機能さ。日本語には言語パックを導入

SugarCRM から派生した SuiteCRM は、長い歴史を持つ CRM です。営業・マーケティング・サポート・レポートまで備え、有料版との機能の区分を設けずに配布されています。現在提供されているのは、7.x 系と、画面を作り直した 8.x 系(v8.10.2)の2本立てです。

ただし、GitHub のリポジトリに含まれる言語は英語のみです。日本語で使うには、翻訳サイト(Crowdin)で配布されている言語パックを別に入れる必要があります。翻訳の割合については確認できませんでした。

Krayin:PHP で手軽に始めたい中小企業に

Laravel(PHP)で作られた Krayin は、シンプルな画面でリード・商談・活動・メールを管理できる CRM です。採用しているMITは、5つの中で最も制約が少ないライセンスです。日本語は2026年9月の v2.2.6 で追加されました。管理画面の翻訳ファイルでは、約96%が日本語になっています。

公式 README には、要件としてメモリ3GB 以上・PHP 8.3 以上・MySQL 8.0.32 以上が挙げられています。PHP 8.3 を使えないサーバーには導入できません。

Odoo・Dolibarr:見積・請求もまとめて管理したいなら

Odoo は、会計・販売・在庫・CRM などのアプリを組み合わせて使う業務システムです。CRM は Community 版(LGPL-3.0)にも含まれており、その日本語訳はほぼ100%に達しています。公式クラウドは1つのアプリだけなら人数無制限で無料です。全アプリを利用できる Standard プランは、1ユーザーあたり月額US$28.50(年払いの通常価格)となっています。

Dolibarr は、PHP+MySQL で顧客管理・見積・請求・在庫を扱う軽い ERP です。PHP のメモリ128MB で動くとされており、一般的なレンタルサーバーにも設置できます。顧客と請求書を一緒に管理したい、1人〜数人の会社に向いています。

なお、代替したいのが HubSpot のメール配信やスコアリングといったマーケティング機能であれば、候補になるのは CRM ではなく、Mautic のようなマーケティングオートメーションです。

どんなときにスプレッドシートから CRM へ移るべきか

弊社(合同会社Edel Hearts)では、顧客管理にスプレッドシートを使っています。人数が少なく、取引先もそれほど多くないうちは、スプレッドシートで十分に管理できます。この立場から考えると、CRM が必要になるのは次のような場面です。

  • 同じ顧客を複数の人が追う:誰がいつ連絡したのか、行の色やメモだけでは管理しきれなくなったとき
  • 「次にいつ連絡するか」を忘れる:商談の段階や次の予定を、通知つきで管理したくなったとき
  • 顧客ごとにメールの履歴を見たい:過去のやり取りを把握するために、受信箱の検索が必要になったとき
  • シートが壊れる・重くなる:列が増え、誤って上書きや並べ替えをすることが多くなったとき

まだこうした状況に当てはまらなければ、スプレッドシートを使い続けても問題ありません。当てはまり始めた段階で、Twenty や Krayin のような画面がシンプルな CRM から検討すると、無理なく進められます。

まとめ:まずは Twenty か Krayin からオープンソースの CRM を検討する

HubSpot・Salesforce の代わりとして検討しやすいのは、今風の画面と日本語訳の充実度を求めるなら Twenty、ライセンスの制約が少なく PHP で動かしたいなら Krayinです。Salesforce 並みの機能を求める場合は SuiteCRM、見積・請求まで1つにまとめる場合は Odoo や Dolibarr が候補になります。

ライセンスや最新バージョンの情報は、各ツールの詳細ページ「Twenty」「SuiteCRM」「Krayin CRM」「Odoo」「Dolibarr」で随時更新しています。また、乗り換え先の候補を「HubSpot のオープンソース代替」「Salesforce のオープンソース代替」に、CRM 全体を「CRM・営業支援のカテゴリー」に一覧でまとめています。導入について迷ったときは、お問い合わせからご相談ください。